実学とはなんぞや?『学問のすゝめ』(福沢諭吉) 読書ノート①
「実学」という言葉は「実用的」「役に立つ」「進歩に直接貢献する」学問という意味合いで用いられていることが多い。「実学」という言葉の使用について、最も知られているのは福沢諭吉だろう。彼は著書『学問のすゝめ』で、「これからの世の中は実学を重視せよ」と説いた。この彼の著述を引いて、「実学」以外ではない――簡単に言えば「それ何の役に立つの?」と言われてしまいがちな――学問を批判する人は後を絶たない一文系学生としてこの風潮にはモノ申したいところがあるため、今日は福沢が指す「実学」について再考したい。